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経済学部 キャリア教育関連科目「キャリア講座C」

  • 川村義肢株式会社
    代表取締役
    川村 慶 様

講演日:2025年5月7日

インタビュー

現在の仕事に就きたいと思った理由、きっかけは何でしょうか

義肢装具の製作販売会社の三代目として生まれたことが最大の理由です。正直なところ、「後継者」という重責から逃れたいという思いもあり、当時熱中していたアメリカンフットボールを通じて就職することも考えていました。しかし、もともと「モノづくり」が好きだったこと、そして不自由を感じている方の「不」を道具の力で取り除いて自由にすることができるという点に社会貢献性の高さと使命感を感じ、最終的に現在の仕事を選びました。

仕事の魅力、やりがい、心掛けていることを教えてください

私達の仕事は、「不自由?自由」「不満?満足」「不幸?幸福」「不安?安心」というように、お客さまの「不」を取り除くことができる仕事です。お客さまから手を合わせて「ありがとう」とお礼を言っていただけることもあり、とてもやりがいを感じることができます。また、仕事をする際はお客さまに対して「サービスを提供してあげよう」という考えは持たないようにしています。まずは、お客さまが何を望んでおられるのか?将来何をされたいのか?などを傾聴して共感することから始めるようにしています。

難しいと感じることは何でしょうか
また、それをどのように解決していますか

どのような仕事でも、基本的にお客さまはサイレントカスタマー(声無き顧客)だと思っています。不満を持っていても、それを直接言葉にすることは少なく、黙って離れていき二度と戻ってこられないこともあります。そのため、提供側の都合を押しつけず、先例に囚われれることなく、お客さまを尊重して真摯に対応することを心掛けています。そうすることで、お客さまは必ず心を開いてくださいます。「この人なら何かやってくれるかもしれない」と期待していただける仕事をすることで信頼関係が築けると考えています。

この業界を目指す学生や、就職活動を控える学生(業界問わず)へのアドバイスをお願いします

「独りでできることは何も無い」ということを前提に、独りで抱え込んで我慢しないことが大切です。皆さんには、早い段階から仲間に「助けて」と言えるスキルを身に着けていただきたいです。そのためには受援力(助けてもらえる力)を身に付ける必要がありますが、利己的な人間は受援力を得ることはできません。ぜひ普段から他人のために行動することを心掛けてみてください。そして、約束は必ず守ることです。まずは時間を守ることから始めてみてはどうでしょうか。

今回の講演で学生の皆さんに一番伝えたかったことは何でしょうか

資源の少ない日本は、諸外国に対して技術力で勝負してきた歴史があります。私自身も技術力で世界に貢献できるような仕事をしていきたいと考えていますし、皆さんにも日本の技術力を誇りに思ってほしいです。また、障がい者は可哀想な存在ではありません。そもそも人間の潜在能力は計り知れないもので、誰にでも無限の可能性があります。自身の能力を未来進行形で捉えて、「できないこと」を数えるのではなく「できること」を伸ばしていただきたいです。私は皆さんより少し先輩なので、これからも皆さんの力になれるようなことを実践していきたいと思います。